2018年9月14日金曜日

ご来場ありがとうございました!

秋の夜長です。
皆さま、お元気ですか?

本日、聖路加国際病院のお茶と音楽の会で
ピアニストの藤田まり子さんと
ガルテンマザーの子守唄を演奏しました。

Auraの頃、古楽の歌唱指導でお世話になった
ソプラノ歌手の名倉亜矢子さんのCD
やすらぎの歌http://amzn.asia/d/barH7QT)に収録されていて、
初めて聞いた時からずっと好きな歌でした。

自分のCDの候補曲を考えていた時も、
歌いたい!と思いましたが、
当時は譜面が見つからず、また、
同じケルト系民謡ではスオ・ガンの方が
より耳馴染みがあるかもしれないと思い、断念しました。

結果、今で良かったと思っています。

この曲はアイルランドの作曲家Herbert Hughesによって採譜され
1904年に出版されましたが、その譜面をたまたま見つけることができました。
アイルランド北部のGartanという地域で歌われた曲で、
Hughesさんは譜面で1-2-1番の歌詞を充てていましたが、
アイルランドの方の歌を聞いたところ、歌詞が3番まであることが分かり、
幼い子供を亡くしたお母さんの子守唄だと分かりました。

アイルランドの方は1-2-3-1番と歌っていましたが
Hughesさんの編曲を生かして、1番には戻らず。
3番の ”教会の低い鐘の音が鳴り 私の小さな子羊は休む”
という詩に、
Hughesさんの印象的な前奏&後奏が物凄くはまっている気がしたので
今回、名倉さんにもご相談させていただいて、
私は1-2-3番と歌うことにしました。

もし私が無事に自分の子供と会えていたら、
3番は歌えなかったと思います。
怖くて、悲しくて歌えなかったと思います。

子供を見送ったから、歌えました。
見送らなければ、知り得なかった感情でした。
どこぞの何の力だかよくわからないけれど、
このタイミングでこの譜面に出会えて、
ただただ、感謝しています。

藤田先生も、この世界観をがっつり汲んで
弾いて下さいました。
録音を聴いていたら、絶妙な塩梅の音色、タッチの数々(泣)
本当にありがとうございます。


***



いつもお聞きくださる方は、お気づきだったかもしれませんが、
佐藤悦子、体の調子が良くありません。
そんなんで歌ってしまって、本当に申し訳ありません。
練習すると日に日に疲弊して練習が成り立ちません。
本番へ向けた積み重ねができません。
イメトレを繰り返したところで、使う筋肉を動かせていないので
思うように体が機能しません。

これが持病からくるものなのか、
年なのか、気持ちの問題なのか、
ちょっと腰を据えて向き合うときかもしれない
と思いました。

歌いたい気持ちはたくさんあります。
歌いたい曲も、やりたいこともたくさんあります。
ただ、今の私には無理そうです。
とても悔しく悲しいです。

しかし、これも私が蒔いた種であろうと思います。
いつもいらしてくださる方々に、本当に申し訳なく思います。
本当に、申し訳ありません。

しばらく聖路加の出演を見合わせ、演奏活動をお休みします。
心身健康になって、皆さんに望まれる歌が歌えるように、
頑張ります。


本日もお忙しい中お越し下さった皆様、
本当に本当に、ありがとうございました!!!


写真は終演後に行った藤城清治さんの展覧会にて。
この作品はレプリカでしたが、美しかったです。
(写真撮影OKでした(感謝))

藤城清治「光と影の生きる喜び展」2018 より
https://www.kyobunkwan.co.jp/ein-karem/archives/info/2018-4