2020年3月4日水曜日

リュートとお別れしました

ただならぬ状況になっておりますが、
お元気でお過ごしですか?

この度、リュートを弾くことをあきらめ、
リュート奏者の佐藤亜紀子先生のもとに、お返ししました。

とにもかくにも私のスペック不足。
それに反してとてもとても良い楽器。
これ以上意固地になって、
私一人の満足のために抱え込むのはもったいない。
もっと弾ける人の元で、
たくさんいい音色を鳴らしてもらった方がいい。

頑張れない自分を認め、スペック不足を認め、
区切りをつけました。

初心者にはもったいない楽器、と先生が改めておっしゃって、
でもそれでも当初、自分に譲ってくださった事の意味を思い、
本当に有り難く、
そして申し訳なく。

いつか、またチャレンジしたくなったら言ってね、と
先生に送り出していただきました。

初めて音を出した時の感動と、心地よい音色は
ずっとずっと忘れません。
ありがとう、ありがとう。

いつか弾き語りを聴きたいと言ってくださった、
応援してくださった皆様、
本当に申し訳ありません。
まだ先が見えませんが、一つずつ課題をクリアしていって、
いつか、何か、また、と
思います。

本当にありがとうございました!


リュート奏者♪佐藤亜紀子先生のページです♪

http://www.atelierlakko.com/

2019年12月31日火曜日

新しい一歩

ご無沙汰しております。
皆様、お元気でお過ごしですか?

演奏休止のお知らせをしてから、丸一年、
ブログをご覧下さった方がご心配下さり、
度々、ご連絡をいただいておりました。
お忙しい中気にかけて下さり、本当にありがとうございます。
私事でご心配をおかけしまして、誠に申し訳ありません。

おかげさまで、演奏を休止してから数ヶ月で
子供を授かることができ、
今年愛おしい我が子に会うことが叶いました。
天国にいる子供のことを想いながら、
2番目の子は第一子として生まれ、
元気に、日々成長しています。
寝かしつけの要らない子なので、
こもりうたもほぼ必要なく(現実)
どちらかというと遊びの時に
アップテンポな曲ばかり歌っています(不得手)。

橋本病である私は、妊娠判明時からすぐに甲状腺内科にかかり、
毎日服用しているお薬を増量しました。
産後はすぐに元に戻し、定期的に検査をしていますが
数値は不安定で機能亢進しています。(産後あるあるのようです)
両手に腱鞘炎と軽度のリウマチのような症状もあり、
同じ自己免疫疾患つながりで、出やすいそうです。
意外なところでドライアイも、
全く無自覚で、コンタクトを作りに行って診断されましたが
橋本病の影響でこのままだと悪くなる一方、
そのうち視力障害がでる、
とのこと(汗)
毎日の目薬と定期的な検査を受けています。

そんなとことんポンコツの母ですが、
家族や友人や、周りの方々に支えていただいて
無事に年末を迎えました。
声はすっかりハスキーになり、とてもとても人前で歌えませんが、
いつの日か、どこかでまたお会いできるかな、と
遠い目でぼんやりと思っています(すみません)。
そのうち過去の録音を、告知なくYouTubeにアップするかもしれません。
また、CD『こもりうた』も引き続き買えるようにしていただいています。
そんなことくらいしかできませんが、
もし必要になりましたら、聞いてみてくださいm(_ _)m
応援してくださった皆さんのお気持ちを励みに、
今できることを精一杯して参ります。
改めまして本当にありがとうございます!!

Auraのニューアルバムも、これからの活動も、
陰ながら応援しています☆☆☆☆☆

最近、牛久大仏に行って心に留まった写真を載せます。
どうぞ皆さまのこれからが素晴らしい毎日になりますように。
陰ながら祈っています☆彡





2018年12月31日月曜日

今年もありがとうございました

大晦日!
皆さま、お元気ですか?

今年は聖路加国際病院での演奏のみとなり、
10月以降は演奏をお休みすることとなりました。
応援してくださる皆様、本当に申し訳ありません。


「歌を続けている限り、健康な子は望めないと思う。
けれどそれで歌わないことが、ストレスになってもね」

昨年、鍼灸の先生に言われていました。
すっかり忘れていました。(そんな自分にショック笑)
当時は歌わなくなることが想像出来ませんでしたし、
歌うのをやめたら、間違いなくストレスだったと思います。

ただ、今はそれがおっしゃる通りだったと、
ものすごく腑に落ちています。
そして歌わなくとも、ストレスは感じていません。
病気が分かって、不調の原因が全て繋がって、
今の自分の限界が分かりました。

「悦子さんはいつも浮いてる感じ、
ふわふわ足が地面についてない感じ」

数年前、知人に言われたことがありました。
その意味もやっと分かりました。

自分はこんなにポンコツなのに、
目指すものは高い高い所にあって
そこへ行くためにはこうあらねば、
こうせねば、そんな人でありたい、と
自分のスペック以上のものを課していました。

普通なら相手にされないところを
家族を始め周りの沢山の方の優しさと援助で、
奇跡的に形にしていただいて、次々に叶ってしまった。
私自身は実のない、相変わらずのふわふわで。

そんな私に引き続き勘違いさせないため、
今年一年があったのだと思いました。
今年の漢字は「知」です。
病をきっかけに色々と学び、気づくことができました。
そして私に必要なことは、
自分に適したペースで、自分の求める具合で
地面を一歩ずつ歩いて進むこと。
当たり前に歩けて、当たり前に家族を守れて、
走れるくらいの余力があって、
はじめて歌える。

演奏再開はだいぶ先になりそうですが、
いつかまたお会い出来るよう、
ホームページやブログは残します。
ソロになってからの5年間、そしてソロになる前から
家族を始め、ずっと温かく応援して下さる皆様、
本当に本当に、ありがとうございました。

皆さんの未来が、どうか輝きますように。
健康に快く過ごせますように。


どうぞ良いお年をお迎えくださいm(_ _)m





2018年9月18日火曜日

演奏活動を休止します

秋の空に、秋の空気です。
皆さま、お元気ですか?

前回のブログでふれさせていただきましたが
ご来場御礼の続きで書いてしまったので、
改めてご報告させていただきますm(_ _)m

最近は聖路加国際病院での演奏のみ行っておりましたが、
それも今月をもってお休みし、
しばらく演奏活動を休止させていただきます。

橋本病と流産」という記事で以前書かせていただきましたが、
私事ながら、昨年より体調の優れない日が続き、
鍼灸などで様子を見ておりましたが、春頃に詳しい検査をし
夏に、甲状腺の自己免疫疾患である橋本病に
罹患していることがわかりました。

橋本病は完治ということはなく、服薬によるホルモンの補充で
”寛解する”という病気なので、定期的に検診を受け、
ホルモンの値さえ保てれば日常生活に支障はありません。

ただ歌を歌うことは思いの外、全身の筋力を必要としているようで
本番へ向けた練習の積み重ねができなくなっています。
練習とともに日に日に疲労が強くなり、歌唱中の支えが利かず、
声帯は本来休めればリフレッシュし、訓練と共に声も伸びていくはずが、
声域が徐々に狭くなり、声枯れも起きる…
傍目には僅かな差かもしれないのですが、
自分では明らかに罹患前との違いを感じています。

これに関しては昨年球界を引退された、
ヤクルトの今浪選手のお話にとても共感しました。
(一流アスリートの方と同列にしてはいけませんが…)
https://www.nikkansports.com/baseball/news/201710030000406.html


甲状腺ホルモンの低下は婦人科系への影響もあり、
そちらも投薬で調整し、経過を見ている状態で、
普段自分で感じる感覚よりも、
実際の体の中は良くない状態なのだと思いました。

男性には申し訳ない話なのですが、
元々、月経周期はずっと不規則で、本番を控えていると大抵、
緊張からか排卵しなくなってしまい、大幅に遅れていました。
子宮にポリープができて、不正出血が続いたこともありました。
歌うのは楽しかったはずなのに、なぜか体は逆行していました。

説明(言い訳)が長くなりすみません、
不調の原因が分かったこと、そして対処できていることは、
大変ありがたく思っております。
ここでよくよく向き合って、また歌を歌えるように
元気に長く歌い続けられるように、蓄えたいと思います。


Auraを離れてから、地味ではありますが、
ソロCDのリリース、ソロコンサート、
聖路加国際病院など『うた時計』でのボランティア演奏と、
やりたいことを次々に、ひらめくままに、
おかげさまで存分にさせていただきました。

こんな時のために(苦笑)作ったCD「こもりうた」は
おかげさまで2回目の追加プレスをさせていただきました(泣)
YouTubeでも、簡易の録音ではありますが、
色々な演奏をアップしています。

YouTube-Etsuko Sato Official channel
https://www.youtube.com/channel/UCzZA7Hdp_bpadEo7s26i4Jg

もし必要になったら、聞いていただけたらと思いますm(_ _)m



いつも応援して下さる皆様、温かく見守って下さる皆様、
改めまして、本当にありがとうございます。

復活までどのくらい時間がかかるのか分かりませんが、
歌えるようになったら、ここでお知らせさせていただきます。
またお会いできますことを楽しみに、
皆さんの健やかな日々を、心より祈っております。



佐藤悦子


2018年9月14日金曜日

ご来場ありがとうございました!

秋の夜長です。
皆さま、お元気ですか?

本日、聖路加国際病院のお茶と音楽の会で
ピアニストの藤田まり子さんと
ガルテンマザーの子守唄を演奏しました。

Auraの頃、古楽の歌唱指導でお世話になった
ソプラノ歌手の名倉亜矢子さんのCD
やすらぎの歌http://amzn.asia/d/barH7QT)に収録されていて、
初めて聞いた時からずっと好きな歌でした。

自分のCDの候補曲を考えていた時も、
歌いたい!と思いましたが、
当時は譜面が見つからず、また、
同じケルト系民謡ではスオ・ガンの方が
より耳馴染みがあるかもしれないと思い、断念しました。

結果、今で良かったと思っています。

この曲はアイルランドの作曲家Herbert Hughesによって採譜され
1904年に出版されましたが、その譜面をたまたま見つけることができました。
アイルランド北部のGartanという地域で歌われた曲で、
Hughesさんは譜面で1-2-1番の歌詞を充てていましたが、
アイルランドの方の歌を聞いたところ、歌詞が3番まであることが分かり、
幼い子供を亡くしたお母さんの子守唄だと分かりました。

アイルランドの方は1-2-3-1番と歌っていましたが
Hughesさんの編曲を生かして、1番には戻らず。
3番の ”教会の低い鐘の音が鳴り 私の小さな子羊は休む”
という詩に、
Hughesさんの印象的な前奏&後奏が物凄くはまっている気がしたので
今回、名倉さんにもご相談させていただいて、
私は1-2-3番と歌うことにしました。

もし私が無事に自分の子供と会えていたら、
3番は歌えなかったと思います。
怖くて、悲しくて歌えなかったと思います。

子供を見送ったから、歌えました。
見送らなければ、知り得なかった感情でした。
どこぞの何の力だかよくわからないけれど、
このタイミングでこの譜面に出会えて、
ただただ、感謝しています。

藤田先生も、この世界観をがっつり汲んで
弾いて下さいました。
録音を聴いていたら、絶妙な塩梅の音色、タッチの数々(泣)
本当にありがとうございます。


***



いつもお聞きくださる方は、お気づきだったかもしれませんが、
佐藤悦子、体の調子が良くありません。
そんなんで歌ってしまって、本当に申し訳ありません。
練習すると日に日に疲弊して練習が成り立ちません。
本番へ向けた積み重ねができません。
イメトレを繰り返したところで、使う筋肉を動かせていないので
思うように体が機能しません。

これが持病からくるものなのか、
年なのか、気持ちの問題なのか、
ちょっと腰を据えて向き合うときかもしれない
と思いました。

歌いたい気持ちはたくさんあります。
歌いたい曲も、やりたいこともたくさんあります。
ただ、今の私には無理そうです。
とても悔しく悲しいです。

しかし、これも私が蒔いた種であろうと思います。
いつもいらしてくださる方々に、本当に申し訳なく思います。
本当に、申し訳ありません。

しばらく聖路加の出演を見合わせ、演奏活動をお休みします。
心身健康になって、皆さんに望まれる歌が歌えるように、
頑張ります。


本日もお忙しい中お越し下さった皆様、
本当に本当に、ありがとうございました!!!


写真は終演後に行った藤城清治さんの展覧会にて。
この作品はレプリカでしたが、美しかったです。
(写真撮影OKでした(感謝))

藤城清治「光と影の生きる喜び展」2018 より
https://www.kyobunkwan.co.jp/ein-karem/archives/info/2018-4


2018年9月11日火曜日

今週金曜日は聖路加です

涼しいですね。
みなさまお元気ですか?

大雨、台風、地震と、被害を受けられた皆様へ
心よりお見舞い申し上げます。
悲しみを受け止めるにも、抱えるにも、持ち続けるにも
エネルギーがないことには・・・
磨り減る心に、何か少しずつでも、手当できる術がありますよう。
復旧復興へ前に進み続ける方々に、健康がありますよう。


今週の金曜日は、聖路加国際病院のお茶と音楽の会に出演します。
今月はピアノの藤田まり子さんとアイルランド民謡を演奏します。
メロディが美しく、ずっと歌いたかった曲で、
こもりうたのCDにも候補としてあげていましたが、
楽譜が無く、断念していました。

数ヶ月前、他の曲を探していたときにたまたま見つけ、
そして調べてみたら、少し哀しい歌だったのですが
今の私には、心底共感できるものでした。

ちょっとしっとりですが、
よろしければぜひ、お待ちしております。


2018年7月19日木曜日

緩和ケア棟でのうた時計

晴れ放題!!
皆さま、お元気ですか?

本日、聖路加国際病院の緩和ケア病棟で演奏して参りました。
昨年の12月以来、2回目です。
今回も、ピアノの梶山ななえさん&サックスの吉田充里さん
とのトリオです。


演奏曲はこちら↓

*****

芭蕉布
我は海の子(ピアノ&歌)
海(ピアノ&歌)
雨に唄えば(ピアノ&サックス)
雨にぬれても(ピアノ&サックス)
Over the rainbow(ピアノ&サックス)
サリー・ガーデン
見上げてごらん夜の星を
浜辺の歌(皆さんと一緒に)
夏の思い出

*****


今日の日を迎えるまで、日常を送りつつも
内心は、やはりとても緊張していました。
たった20分、とはいえ
患者様ご本人やご家族の方々にとっては
大切な、一分一秒だからです。

大切だとわかった上で、その上で
一日一日を過ごされている、
私には到底計り知れないものです。

なので、ただひたすら想像して
会場に入って、空気を察して、感じて、
その場に添えるように
言葉、フレーズを歌いつないでいました。

ななえさんも吉田さんも
とっても思いやりのある演奏家なので
それがそのままお二人の音楽になっていました。
そして私はまだまだ弱いので
ご家族の涙に、一瞬、つい心が動いてしまうのですが
すぐ自分の役目に戻り、最後までぶれずに演奏できたのは、
揺るがないお二人のおかげでした。

そんなお二人と演奏できていることに、
ただ感謝の気持ちでいっぱいです。
また年末にお声がけいただいたので
トリオでお伺いする予定です。


ホスピス緩和ケアの音楽療法を専門とされている
米国認定音楽療法士の佐藤由美子さんの

大切なのは「死を知らない」という謙虚さ』

という記事https://www.kango-roo.com/sn/a/view/3018があり、
「ホスピスや緩和ケアの仕事で気をつけていることは何ですか?」
という問いに対して、こう答えていらっしゃいました。 

「患者さんから学ぶ姿勢を忘れないことです。
この仕事を始めて14年になりますが、
今でも分からないことがたくさんあります。
自分は死を経験したことがないので、患者さんの気持ちを
根本的に理解することはできません。それを隠さず、
謙虚な気持ちで接することが大事だと思っています。」


私は音楽療法はできませんが、
この気持ちを持っていたい、と
ずっと心に留めています。

緩和ケア棟の皆様、関係者の皆様、
お声がけくださり、本当にありがとうございました。