2017年12月28日木曜日

流産翌日〜その後

「赤ちゃんが出てきたら、診療時間内に来て下さい」
との指示通り(←根に持ってる(苦笑))
翌日、月曜日に夫と病院へ行きました。


エコーで確認してもらって
「ほとんど出てる。完全流産です」
とのこと。
赤ちゃんを見てもらったところ、
「お母さんがそう思ったのなら、そうでしょう」
という返事。断定はしませんでした。
「ホルマリンいる?」
と聞かれ、お断りしました。
「もうこの後は、お風呂入っても自転車乗っても、
何してもいいです。2ヶ月後までに生理が来なかったら
受診してください。よくあることだから、決して
お母さんのせいではないからね」


主治医の診察は内診が一度も無い、一般的には珍しい診察でした。
妹の友人が産婦人科医なので、彼女にも過ごし方を尋ねたところ
医学的には問題ないんだけど、痛いときは無理しないで、
と言っていました。
自転車乗ってもいいなんてさすがに言わないし
大抵お風呂でなく、しばらくはシャワーを勧められるようですが、
いろいろ思い切った先生でした。

夫が帰り道で、
「あの先生、真面目な話してる間、足組んで
サンダルぷ〜らぷ〜らしてたよ!相当ゆるいね」
と言ってけらけら笑っていて、
腹を立てずに笑い飛ばした夫のおかげで、私も力が抜けました。

その日は小一時間買い物をして歩いたら、
お腹がしんどくなり、帰宅後は休みました。
夜にはまた腹痛があり、5cmほどの塊が。
残ってる?!と不安になったので、翌日婦人科の女医さんのところへ。
内診で、全部出てますという診断。
そして赤ちゃんを見てもらったものの、やはりなんとも言えないとのこと。
一週間後に経過を見て下さることになりました。

赤ちゃんは、袋を開けて姿を確認することもできたと思うのですが、
そこまでしてよいものか、私はその時、なぜか、どうしてもできなくて、
そのまま小さな木箱に入れて、父からお花をもらって、
アルミで周りを囲って、キャンプ用の小さな炭で火葬しました。
姿を見なかったことを、後々思い出して悔やんだりもしました。
でも、できなかったので仕方ありません。
その時の灰は小さな器に入れて、お寺で作ったお地蔵さんと並んでいます。

流産後一週間は、冷たい水に触れるとお腹に響き、
家事は1時間くらいが限界で、休み休みでした。
食事は足りない分を夫に買ってきてもらって、作る量を減らし
お風呂はシャワーにしました。
私はこの経緯から、もし同じ経験をする人が身近にいたら、
とにかくすぐに簡単に食べられるものを送ろう、と
心に決めています。
おそらくそれが一番助かります。


一週間後に、女医さんに経過OKと言っていただき、
そこからは徐々に普通の生活へ戻しました。
約一ヶ月後に生理が再開したものの、
その10日後から茶色の少量出血と腹痛。
腹痛は2週間ほど続き、基礎体温も低いままだったので
女医さんに診て頂いたところ、無排卵になっていました。
ホルモンの働きを助ける薬を処方され、
すぐに体温が上がって、腹痛も改善しました。


体調が安定するまでには、やはり3ヶ月はかかりました。

姉が勧めてくれた漢方の先生の本とサイトを見て、
日々の過ごし方の参考にしました。
○堀江昭佳さんオフィシャルサイト
http://www.funin-kanpo.com/ryuzan/


また、友人の勧めでもともと通っていた
マクロビオティックの教室にも引き続き通いました。
お魚やお肉は食べますが、自分の体質や食べ物の持つ特性などを
知ることができ、今も参考にさせていただいています。
先生もとても優しくて、真摯で勤勉で、素敵です。
そして先生のご飯は美味しいです。
○foo's cafe 檜氣
http://foos-shop.p-kit.com


あとは自治体の講座でヨガを習いました。体がガチガチの時に
セルフでケアができるようになり、自分のウィークポイントや、
自分にはどのポーズやストレッチが有効かを知ることができ、
とても助かっています。



そして心の安定は、1年半、かかりました。

時間があったので、こんまりさんの片づけ祭りをしたり、
義弟がくれたニーチェの本や、
産婦人科医の池川明さんの本を読みました。

最初の1年間は意地を張っていたというか、
親子連れを目にしても、マタニティマークを目にしても
それはそれ!笑顔でいよう!そういう自分がいい!
と心に誓っていました。

実際、親戚の子も友人の子もみんな可愛いし、
会えば楽しくて癒されました。
そこには何の罪もありません。
が、1年後、
思い切り体調を崩してしまって、病院でなかなか治らなかったので、
知人に紹介してもらった整体院へ。
溜め込んだストレスが原因だと
カウンセラーのような先生が分析。

○東陽治療院
http://to-yo.cc


自分を無意識に責め続けた結果だそうで、
「良い食べ物を食べても、心が不健康だと、
一晩で病気になります。」
「こうしなきゃいけない、と思うことを、
悦子さんの場合は、少し緩めてください」
というアドバイスのもと、一つずつ緩めたところ、
それまで住んでいた街が急に息苦しくなってしまいました。

開発で子育て世代が多く入ってきていたため、
一歩外に出れば、赤ちゃん、子供、妊婦さん。
会わない日はありませんでした。
環境を変えたくて変えたくて夫に頼み、
ちょうど部屋の更新の時期で、夫も賛成してくれ、
引越しました。
流産後に養生していた頃、窓から見える外の景色の大切さを実感したので、
元いたところより少々不便ですが、
自然がすぐそばにある所へ移りました。
駅までの道で人と全く会わないことは多々ありますが(笑)
その分、野鳥や虫がいて、木々があり、
深呼吸ができる空気や景色に癒されています。

おかげさまで、今は道行く家族に過剰に反応しなくなり、
自然にいられるようになりました。

思い返せば、子供がお腹にいた時に
何か本音と裏腹なことを思ったり、何かを我慢してしまった時、
子宮がキュッと痛む感覚があって
とっさに「ごめん!」と謝っていました。
たまたまかもしれないですが、
心の影響は大きいかも、と思います。


なんでもきっとそうですが、
流産も、経験者にしかわからない痛みが、たぶんあります。
少し前まであった感覚が、ある日を境に空っぽになる。
涙が出る時は、どこから湧いてきたんだろうと思うほど
とめどなく出ました。
理性でなんとかしようと思えば、なんとかなった今までの感覚とは
全く違いました。
母性なのかな、と知人が言って下さいました。

1日も早く立ち直りたいと、誰よりも思っているのは母親で、
泣いていたら赤ちゃんが悲しむからと、
もっと健康になるからと・・・
責めるなと言われても、命が一つ消えてしまうことは本当に大きくて
葛藤は続きます。

私は幸い、周りの方に日々支えられ、
人前でこもりうたを歌えるところまで
戻していただきました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

家族をはじめ、手厚く支えてくださった皆様、
応援してくださった皆様、
そして天国の子供へ
本当に本当にありがとうございました。